【米津玄師】amenの歌詞の意味を解釈・考察

2018年6月28日

 amenの曲にまつわる情報

amenは、米津玄師5thシングル「LOSER/ナンバーナイン」のカップリング曲として収録された曲です。


LOSER/ナンバーナイン [ 米津玄師 ]

この曲は、米津さんがインタビューで答えている通り、「Youtubeで他の人の曲を見ながら歌詞やメロディを当てはめる遊びをしていた時にサビの一行とメロディがまるまる頭に出てきて、そこから発展させていった曲である」とのことで、非常に哲学・宗教チックな曲になっています。

(サビが「生まれた意味を教えて欲しい」というところから始まっていますからね。)

歌詞やサウンド共に、ストーリー性の強い曲が並ぶ1stアルバム「diorama」に世界観が近い楽曲となっているように筆者は聞いていて感じました。

amenのPV

公式PVはカップリング曲なのでありませんが、Youtubeで弾き語り動画があったのでこちらをあげておきます。

この曲は細かいサウンドが世界観を作っているので、ぜひCDを買ってでも原曲を聞いて欲しいなと個人的には思います。

amenのインタビュー記事

インタビューはこちら!冒頭のようにシングル曲のカップリングとしての立ち位置的な話も出てきますので、ぜひチェックしてみてください。

・ナタリーミュージック

https://natalie.mu/music/pp/yonezukenshi08

 amenの歌詞の意味を解釈・考察

amenのそもそもの意味として、「そうありますように」という意味の古代ヘブライ語でキリスト教の賛美の時に使われる言葉です。

歌では「エイメン」と発音していますが、日本語でも「アーメン」という言葉で通じているので、聞いたことのある人も多いのではないでしょうか?

この曲は、ダークな雰囲気の中に西洋感・宗教感が強く漂う楽曲となっています。

amenという言葉を筆頭に、「亡霊」や「黒い炎」、「赦し」など様々な世界観をかたどる言葉が並んでいること、サウンドの作り方に「木が軋む音」「鐘の音」を入れていることがその最たる象徴でしょう。

曲構成もAメロとサビだけの構成と中々にシンプルなのですが、1番のAメロと2番のAメロで歌全体の中での機能性が違うことが大変に面白いです。普通の曲はAメロが情景描写でBメロが心情描写なのですが、この曲はBメロがない代わりに「1番Aメロが情景描写で2番が心情描写」になっているという、かなり特殊な構成となっています。

また、情景描写がとても細かく、この曲のPVがないのにもかかわらず聞き手の頭の中にはこの曲の世界観が映像として流れてくるレベル感で世界観を打ち立てています。

それでは、早速Amenの歌詞の意味を解釈していきましょう。

amen_1番Aメロ前半歌詞の意味・解釈

馬が走る 黒いアスファルトの上

荒んだ並木 風もなし 香りだす雨の気配

東京はフラスコの中の風景

迷い込んでは泣いていたのは遠い遠い昔

(出典: amen 作詞:米津玄師 作曲:米津玄師)

今にも雨が降り出しそうな少し曇った空に荒んだ並木が並び、黒いアスファルトの地面を馬が行く。これだけで、かなり暗い場面であることが分かります。どこかゼルダの伝説のような世界観ですね。

ここで「東京はフラスコの中の風景」という面白い表現が出てきます。

おそらくですが、これは徳島から上京してきた米津さんの目線から見た東京のことでしょう。

「東京という場所はすごいところだ」と思ってやってきたが、都会という町はあまりに雑多で殺伐としていて、迷い込んでは独り泣いていた彼の様子が思い浮かびます。

amen_1番Aメロ後半歌詞の意味・解釈

光の澱に 道草を誘う亡霊

九つの門を通り抜けてあの山の麓へと

空っぽの花瓶に活ける花を探している

恥ずかしいくらい生き急いでいた遠い遠い昔

(出典: amen 作詞:米津玄師 作曲:米津玄師)

澱は「何かが溜まっているところ」を指す言葉で、「よどみ」と読みます。亡霊がこの光の澱に道草をよらせようとしていることからこの光の澱は「あの世」を指しているのでは?と解釈できます。「天国か地獄」のどちらかは分かりません。

9つの門の部分は「ナインス・ゲート」という映画でも扱われている「影の王国への九つの門」をモチーフにしているのでしょうか。もしそうだとしたら、やはり「影の王国=死」をイメージさせるので前半2行の解釈とつながってくる部分があります

amen_1番サビ歌詞の意味・解釈

お願い ママ パパ この世に生まれたその意味を

教えて欲しいの わたしに

悲しい思い出はいらないから ただただ美しい思い出を

祈りの言葉を

(出典: amen 作詞:米津玄師 作曲:米津玄師)

曲ができたきっかけとなる一行からスタートします。

どうして自分が生まれたのかを考え、自分の生みの親にも問うている主人公。「悲しい思い出はいらないから美しい思い出を」という一節は、「自分の生まれた意味にプラスとマイナスの意味があるならば、マイナスの方はよく分かっているからプラスの意味を教えて欲しい」という、主人公の気持ちが見える歌詞です。

おそらく、主人公は生きる意味が分からなくなって「死にたくなっている状態」なのでしょう。どうしてそのように考えられるかは2番の歌詞で解説していきます。

また、もちろんですが「祈りの言葉」は「amen」です。「そうでありますように」は、「自分が生まれてきた意味がプラスでありますように=生きたい」という主人公の気持ちとして解釈をすれば、いあっまでの部分と辻褄が合います。

amen_2番Aメロ前半歌詞の意味・解釈

怒りが満ちる 黒い炎を纏って

どうかわたしの この心を 赦してくれやしないか

さもなければ その清い雷を以って

わたしの身を 灰になるまで 焼いてくれないか

(出典: amen 作詞:米津玄師 作曲:米津玄師)

「自分の心を赦してくれないか」「自分の身を灰になるまで焼いてくれないか」という文章から、自分の嫌なところばかりが目について死んでしまいたいと言っている主人公の様子が解釈できます。

自分が汚い存在だから、それを清めて欲しい、もしくは存在ごとなくしてくれればという思いを2番の歌詞前半で表現しています。

先ほどの1番サビで主人公が「死」を考えていると解釈したのは、実はここの心情描写の歌詞から主人公の心が読み取れるからというのが理由でした。

amen_2番Aメロ後半歌詞の意味・解釈

音を立てて燃える部屋の中ひとり

歯軋りみたいに火の粉は舞う 酸素を食べて育つ

ありがとう 今 身をやつす苦渋の全てに

再会を願い 今日はおやすみ また明日

(出典: amen 作詞:米津玄師 作曲:米津玄師)

「音を立てて燃える部屋の中にひとり」。

「死」について考えていると思っていましたが、「すでに主人公は焼身自殺を試みている最中だったようで、燃えている部屋の中で死ぬ間際に思っていることを歌にしている」というのがこの曲の事実でした。

火が大きくなる様子を「酸素を食べて育つ」という擬人法で描いているのが、とても米津さんらしく文学的な表現だなぁと思わず脱帽してしまいます。

ちなみに3分18秒から何かが囁いているように聞こえる部分があるかと思いますが、そこの部分は調べてみると以下の言葉を呟いているようです。

アウグスティヌスの『告白』の「実際、私の心はまっ逆さまに落ちることを恐れてあらゆる同意から離れていたのであり、この留保によって殺されていたのである」」

(出典: 告白 著者:アウグスティヌス)

amen_2番サビ歌詞の意味・解釈

お願い ママ パパ この世に生まれたその意味を

教えて欲しいの わたしに

悲しい思い出はいらないから ただただ美しい思い出を

祈りの言葉を

(出典: amen 作詞:米津玄師 作曲:米津玄師)

サビの歌詞は1番のサビと同じなので細かい解釈は省略しますが、2番を聞いた後にこの歌詞に戻ってくると、どこか感慨深くなってしまいますよね。

筆者自身、米津さんと同様のうつ病を患ったことがあるのですがこの歌詞の主人公の気持ちが痛いほど分かります。

自分の存在の意味が極限まで分からなくなってしまうと、生きている意味を見出せずに人は死を考えてしまいます(というよりも、勝手に頭に自殺と言うワードが浮かんでくる)。

この曲の真意を2番で理解してからサビの歌詞を見るとどこか悲しくなるのは、きっとそういう世界観が曲全体に漂っているからでしょう。

まとめ|amenの歌詞の意味を解釈・考察

amenの歌詞を独自に解釈してみましたが、いかがだったでしょうか?

結論として「自殺をしている最中の人の気持ち」の歌と言う解釈になりました。

かなりダークな雰囲気ですが、1つの作品として見ると、米津さんの強みである「コンセプトに忠実な世界観・歌詞・サウンド」でしっかり構成されていて、カップリングの域を超えているのでは?と思わず思ってしまう、そんな曲でした。

 

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LOSER/ナンバーナイン [ 米津玄師 ]