【米津玄師】4thアルバム『BOOTLEG』をガチで全曲レビューしてみた。

2018年6月28日

アルバム全曲をレビューしていくこの企画、第4弾目です!

今回は2017年発売のアルバム『BOOTLEG』です。


BOOTLEG (通常盤) [ 米津玄師 ]

 

このアルバムは発売前に全国最速試聴会が開かれたり、有名芸能人・アーティストとコラボを沢山行って曲を作ったりと、今までのアルバムにはない要素が沢山詰まった米津さんの音楽を楽しめるアルバムとなっています

今まで『diorama』までは1人で音楽をつくり、『YANKEE』『Bremen』ではバンドメンバーと、そして『BOOTLEG』では他アーティストと作品をつくることによって、彼の音楽レベルの水準も確実に上がっていることが感じられること間違いなしです。

この記事では各曲の歌詞解釈記事のリンクも貼ってありますので、ぜひ気になった曲があればチェックしてみてくださいね!

それでは『BOOTLEG』のレビューをどうぞ!

 

BOOTLEGのアルバム全曲紹介をするよ

このアルバムのコンセプトとしてはタイトルの和訳が「海賊版」ということもあり、様々な過去のアーティストの楽曲オマージュやそれに準ずる要素を楽曲に数多く盛り込んだアルバムとなっています。

「オリジナル信仰が激しい現代だけど、オリジナルなんてものはもう無い」という米津さんの価値観が強く滲み出ている点も心に留めておきながら楽曲を聞くと、このアルバムに込められた深いメッセージにも気づくことができるので、ぜひ頭の片隅にこのことを入れておくことをオススメします。

それでは早速、各楽曲のレビューをしていきましょう!

 

1.颯爽と空を飛行する燕『飛燕』

アコギのブラッシングがとても気持ちのいい疾走感溢れる楽曲で、アルバムの最初を飾るのに相応しい曲調となっている『飛燕』。

伸びやかなボーカルが印象的なAメロが聴いていてすごく気持ちいいんですよね。

燕が空を飛んでいる画がリスナーの頭に浮かぶサビ、ライブだと手拍子が止まないだろうなと思われるCメロ前のコーラスなど、聴きどころが沢山ある曲なのでぜひチェックしてみてください!

(飛燕の歌詞解釈記事はこちらです。)

 

2.負け犬が這い上がっていく『LOSER』

トラックはロックな感じなのに歌はヒップホップ的な形で矢継ぎ早に言葉がキックされるという、今のところ米津さん史上1番速い曲がこの『LOSER』。

ラップ的な速さはありながらも、サビは非常にメロディアスで耳に残る楽曲に仕上がっているところがまた器用だなと思ってしまいます。

PVは米津さんが初めてダンスをしたということで、さらにクリエイターとしての幅の広さを見せつけたPVとなっているのにも注目です。

LOSERの歌詞解釈記事はこちらで、PVは以下から見ることができます。

3.自分の中のヒーローが目覚め出す『ピースサイン』

アニメ「僕のヒーローアカデミア」のオープニング曲にも抜擢された王道のロックソング。

アニソンらしい情熱やまっすぐさを基調にしながらも、サビ終わりであえて転調させるという「普通の曲で終わらせようとしない米津さんらしさ」も込められているのが特徴です。

BメロやCメロは主人公が敵に負けそうになりながらもなんとか勝とうと挑み続けるような曲の落ち着かせ方をしているところが個人的には上手いなぁ…と思うポイントだったりもします!

ピースサインの歌詞解釈記事はこちらから見れ、PVは以下から見れます。

4.ニコニコ動画の衰退と再生『砂の惑星』

初音ミクのマジカルミライ2017テーマソングに起用され、ドーナツホールぶりにハチ名義として発表された『砂の惑星』。

原曲ではミクがメインボーカルで米津さんがコーラスになっていましたが、BOOTLEG収録版に関しては米津さんがメインボーカルとなって歌っています。

曲全般に渡って中毒性抜群なメロディセンスに「Back to remember when I was born.」というギミック的なコーラス、そして歌詞が「ニコニコ動画の衰退と再生への期待」というものすごい量の情報量が絶妙なバランスで成り立っているのがこの曲なので、絶対に聞かないと損する1曲ですね。

砂の惑星の歌詞解釈記事はこちらで、PVは以下から見ることができます。

 

5.心の弱さを大切な人の輝きで乗り越える『orion』

大切な人との繋がりを星座に例え、その美しさと繋がりから自分の心の挫折や困難を乗り越える様子を描く『orion』。

この曲はアニメ「3月のライオン」のエンディングテーマにも起用され、話題になりました。

弦楽器とピアノの音が冬の夜のような壊れそうな雰囲気を出していて、歌詞のニュアンスを最大限に再現しています。

サビの米津さんの叫ぶように歌う感じが、主人公の心の弱さとそれを超克しようとする心境を絶妙に表しているのも個人的には感じ取ってもらいたいなと思うポイント。

orionの歌詞解釈記事はこちらで、PVは以下から見ることができます。

6.かいじゅうだからこそ伝えたい愛『かいじゅうのマーチ』

まるでNHKのみんなのうたにかかるんじゃないかと思われるような、このアルバムで1番平和で穏やかな曲です。

『BOOTLEG』だと、この曲以外は逆に全てアップテンポもしくは非常に癖のある楽曲となっているので、アルバムの真ん中に少し箸休め的な形でも配置されているのでしょう…。

とはいえ、森山直太朗さんのお母さんである森山良子さんの『今日の日はさようなら』の歌詞をそのまま引用していたりと、BOOTLEGのコンセプトはしっかりと体現しています。

サウンドはゆったりとしていて且つポップでふわふわとした雰囲気を醸し出しており、歌詞も「醜いかいじゅうがどのように目の前の相手に好意を伝えるか」というストーリーでとてもキュートなんですよね。

(かいじゅうのマーチの歌詞解釈記事はこちらです。)

 

7.オリジナル信仰へのアンチテーゼ『Moonlight』

先ほどの曲と打って変わってめちゃめちゃ暗い楽曲です。

最後に急遽この曲をアルバムに入れることにしたと米津さんは口にしており、その理由はこのアルバムのコンセプトである「海賊版」を表現するためだったとのこと。

サウンドはその言葉の通り、オリジナルな音源ではなくサンプリング音だけを使って作曲されているという邦楽のロックミュージシャンではなかなか見ない型破りなことをしています。

歌詞も曲調もとにかく暗いのですが、「本物なんて一つもない」という米津さんのオリジナル信仰へのアンチテーゼがこの暗さにも込められているのではないかなと思われ、彼の思想を深く感じるには絶対に押さえておかねばならない1曲であることは間違いないです。

(Moonlightの歌詞解釈記事はこちらです。)

 

8.春の恋が稲妻のように流れ込む『春雷』

打ち込みが中心のサウンドにラップ調に弾丸のように歌詞を口ずさむのが特徴的なのがこの楽曲。

青年が春の季節に現れた女性に心を奪われ、その恋が体を雷のように走っていったというストーリーからタイトルが付けられたこの曲は非常に文学的な表現が多く、どこか平安時代の貴族が歌っているんじゃないかというような気持ちになる歌詞が印象的です。

PVでは米津さんが両手を広げて歌う姿があり、そこをスクショしてTwitterに上げるファンが続出しています。。

(春雷の歌詞解釈記事はこちらです。)

9.2人の恋は霧の中へ『fogbound』

こちらはモデルの池田エライザさんがコーラスで入っている、タイトル通り霧がかかったようなモヤモヤした雰囲気が特徴の曲です。

少し暗めな曲で、まるで濃霧の中を一隻の船がゆらゆらと漂っているかのような曲調になっています。

サビがコーラスの「Ha-」という音から入るのはあまり米津さんの他の曲にはないので、そこも印象的ですが、何より池田エライザさんの声の良さが目立つコーラス部分は何度も聞いてしまいますね。。

歌詞も摑みどころのない歌詞になっていますが、実は歌詞を紐解いていくと登場する2人が別れる失恋ソングであることが分かります。

2人の恋の遭難を楽曲全体から感じ取ってもらうと非常にこの曲のコンセプト体現におけるレベルの高さを感じ取ってもらうことができますので、深く考えながらぜひ聞いてみてください!

(fogboundの歌詞解釈記事はこちらです。)

 

10.過去の偉大な文化を讃える『ナンバーナイン』

ルーブル美術展「No.9」のテーマソングとして書き下ろされたこの楽曲は、ルーブルという過去の名作の素晴らしさが脈々と受け継いで現在の文化の礎となっていることを婉曲的に表現した作品となっています。

エレクトロサウンドで浮遊感のあるふわっとした曲調が特徴で、サビのメロディがとても印象に残る楽曲です。

PVですが、フル尺の完全版は全国最速試聴会でしかまだ流されておらず、YouTubeには公式からシングルの30秒CMバージョンの映像のみがアップされている現状となっています。

ナンバーナインの歌詞解釈記事はこちらで、30秒映像は以下から見ることが出来ます。

 

11.中華風の超攻撃型ロックサウンド『爱丽丝』

アルバム1攻撃的でヘビーな中華風ギターサウンドが特徴的な楽曲がこのアリス。

作曲は米津さんの音楽関係の飲み友達と一緒にしたそうで、全員オリジナルバンドでやっているプロの人たちだからこそのハイクオリティな楽曲になっています。

AメロがLOSERまでとはいかないものの、かなり早口でスピード感が溢れているのも魅力ですね。
歌詞は不思議な国のアリスがモチーフになっていたり、ドローンやメゴラといった近代的なものも現れる非常に摩訶不思議な世界観の楽曲です。

1回聞くと病みつきになるので、リピート必至です!

(爱丽丝の歌詞解釈記事はこちらです。)

 

12.自身の音楽ルーツへのオマージュソング『Nighthawks』

米津さんが「BUMP OF CHICKENやRADWIMPSをオマージュした」と公言しているのがこの曲。

たしかにメロディの感じや歌詞の世界観が米津さんも大ファンなこの2組っぽい感じがしていて、今の22〜27歳くらいの年代が中高生の時に聞いていたようなロックミュージック感があり、聞いていてどこか懐かしくなります。

ものすごく激しいロックではないのですが、先の2組の歌詞に特徴でもあるように、どこか小説的で「僕と君」という関係性がただただ描かれているというそんな曲になっています。

個人的にサビに入る直前のギターのコードの移り変わりがすごく好きなので、ぜひそこも聞いていただければと…!

(Nighthawksの歌詞解釈記事はこちらです。)

 

13.原曲の雰囲気からガラッと変わった『打上花火』

お次はDAOKOさんとのコラボ曲で映画の主題歌にもなり、お茶の間に米津玄師の名前を轟かせた2017年を代表するヒット曲です。

アルバム収録バージョンは夏の夕方のようなオリエンタルな雰囲気にアレンジされていて、米津さんだけがボーカルを務める形になっています。

しかし、原曲にあるような夏の開放感の中にあるそこはかとない儚さを打上花火の刹那的な美しさに重ねている歌詞や、キャッチーなサビはそのままとなっているので、何の心のハードルもなく安心して聴くことができます。

打上花火の歌詞解釈記事はこちらで、PVは以下の映画アニメーションを編集したものとなります。

14.大切な青春時代の親友とのすれ違いを描く『灰色と青』

最後は俳優の菅田将暉さんとのデュエット曲である『灰色と青』。

この曲はダブル主演でのPVも制作されエンタメ業界でも大きな話題を呼びました。

青春時代の親友とのすれ違いを空の色に重ねて歌うこの曲は、イントロからノスタルジックな気分を強く誘うサウンドになっていて、歌詞も幼い頃の様子を思い浮かべるようなモチーフばかりが並んでいるため、リスナーは自然にそれぞれが過ごした青春時代に回帰させられます。

その世界観の中で、今は離れ離れになってしまった自分の親友を過去の思い出から探しては追いかけるというストーリーが展開され、その登場人物に米津さんと菅田さんがそれぞれ役回りとしてなって歌を歌っているのが特に女性ファンにはたまらない部分になっています。

(灰色と青の歌詞解釈記事はこちらです。)

まとめ

BOOTLEGの全曲レビューをしてみましたが、いかがだったでしょうか?

アルバムのコンセプト感はいつも強いのですが、特にこのアルバムは他のアルバムよりも米津さんの思いが強く出ているので(最後に『Moonlight』をギリギリになって収録するなど)、より彼の世界観に浸れるアルバムになっているんじゃないかなぁと個人的には思います。

歌詞もそれぞれすごく深いので、ぜひそれぞれの曲の歌詞解釈記事も見てみてくださいね!

 

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BOOTLEG (通常盤) [ 米津玄師 ]