【米津玄師】3rdアルバム『Bremen』をガチで全曲レビューしてみた。

2018年6月28日

アルバム全曲をレビューしていくこの企画、第3弾目です!

今回は2015年発売のアルバム『Bremen』です。


Bremen [通常盤][CD] / 米津玄師

割と静かめな曲が多いので、YANKEE』やBOOTLEGと比べるとこのアルバムを推す人は少ないですが、サウンド的に新たな取り組みをしようとしている米津さんを感じられたり、歌詞の奥深さにおいては人生における本当に大切なことなどのメッセージ性も強かったり「隠れた名盤」だったり実はするのがこのアルバム。

この記事では各曲の歌詞解釈記事のリンクも貼ってありますので、ぜひ気になった曲があればチェックしてみてくださいね!

それでは『Bremen』のレビューをどうぞ!

 

Bremenのアルバム全曲紹介をするよ

Bremenは前作の『YANKEE』とはかなり作風が変わっていて、エレクトロな要素を取り込むことで前作に多かったギターロック系の曲が少なくなっているのが特徴的です

また、ブレーメンの音楽隊のストーリーと同じように、歌詞は「何処かここではない場所へ行きたい」という米津さんの価値観の根源にあるような思想が色濃く出ていることが分かります。

ただ、何処へ行ったとしても結局自分なりの幸せを見つけられれば何処でも幸せだよねという答えもアルバム後半3曲で打ち出しているので、アルバムを聴く時はその辺りの部分にも注目してもらえたらなと思います!

それでは早速、各楽曲のレビューをしていきましょう!

 

1.ネガティブな未来を信じない『アンビリーバーズ』

「否定による肯定」というネガティブさを否定することでポジティブな方向へ持っていくというテーマで作られたエレクトロな楽曲。

いわゆるキラキラとした誰もが求める光のようなものはあえて捨て、絶望的な未来なんて信じないという否定の気持ちから肯定を生んでいることが、くだらない愛ばかりを歌う音楽シーンの中で米津さんならではの音楽としてアンビリーバーズが輝きを放っている理由です。

前回の『YANKEE』とは違い、バンドサウンドではない曲でアルバムの幕を開けているのも象徴的ですね。Bメロからサビで一気に駆け上がっていく高揚感がたまらない1曲です。

米津さんがフロアタムを思いっきり叩いてバチを投げ捨てるライブパフォーマンスがかなり鮮烈で、シングルが出た当時はとても話題になりました。

アンビリーバーズの歌詞解釈記事はこちらで、PVは以下から見ることができます。

この狼くんがすごくかわいいと人気だったんですよね〜。

2.米津流のポップなギターロック『フローライト』

こちらは打って変わってポジティブで可愛らしい浮遊感のある楽曲となっています。

ギターサウンドをメインに曲が構成されていて、ゆっくりな曲なのに言葉数がとても多い(特にサビ後半!)という特徴を持っています。

Aメロのメロディに中毒性があってつい口ずさんでしまうんですよね。

PVがこれまでの楽曲のPVの中でダントツで可愛く、ダントツで平和です(笑)

男の子と女の子と米津さんで大縄をしているというかなりレアな映像を見ることもできるので、ぜひ一度ご覧下さい。

フローライトの歌詞解釈記事はこちらで、PVは以下から見ることができます。

3.ドラムの疾走感がたまらない『再上映』

前作までの米津さんらしいロックミュージック感溢れる楽曲です。

どこか廃れた街の映画館のような感じがギターやメロディの少し暗めな感じからイメージができ、曲のタイトルの世界観が感じられます。

サビが結構大ぶりな感じに聞こえますが、実は逆にここ以外のイントロやAメロのドラムの刻み方がかなり速いので、そことのアンバランスさにも注目して聴いていくとこの曲のメリハリ感を感じられてこの曲の魅力の理由に気づくことができるでしょう。

歌詞は昔の自分が思い描いていた自分に今なれていないことへの葛藤とそこからどう生きていくかという決心を描いたものになっています。

(再上映の歌詞解釈記事はこちらです。)

 

4.幻想的で壮大なロックバラード『Flowerwall』

ニコンのカメラのCMに起用されたことで一気に知名度が上がったのがこの『Flowerwall』。ちょうどアイネクライネとこの曲を歌っている人が同じだ!と分かったあたりから米津さんがTVなどでも多く取り上げられるようになっていきました。

曲はミドルテンポのゆっくりとしつつも壮大なロックバラードとなっていて、歌詞のテーマも「今を天国ととるか地獄ととるかは自分たちの価値観次第だ」というような1つの現象に対する相反した2つの考え方のようなものを題材にしているため、非常に曲の奥行きが広い楽曲となっています。

PVもその世界観に合わせたものになっているため、カラフルなスモッグが色鮮やかに舞っていて、その中で米津さんが白い衣装で歌うことでとても神々しい映像に仕上がっています。

Flowerwallの歌詞解釈記事はこちらで、PVは以下から見ることができます。

 

 

5.片想いの幽霊ソング『あたしはゆうれい』

好きな人への伝わらない片想いを相手に見えない幽霊目線から描いた非常に可愛らしい楽曲となっています。

好きな人がこっちを向かないことを”脈なし”ということから、この曲のコンセプトが出来たらしいですね。

ドラム中心に曲が組み立てられていますが、それに乗っている歌のメロディの耳触りの良さが抜群です(特にAメロ)。

コーラスや打ち込みの音も幽霊っぽさや少しコミカルなニュアンスを表現していて、サウンド面もかなりこだわりが感じられます。

ひゅーるるるという女子ファンからしたらかなりあざといようなサビ終わりも特徴的で、こうした歌詞を歌うことも珍しいのでその点も注目して聴いてもらえたらなと思います!

(あたしはゆうれいの歌詞解釈記事はこちらです。)

 

6.リスナーを希望の国へ引き連れる『ウィルオウィスプ』

アルバムタイトルの元になっている「ブレーメンの音楽隊」がモチーフになっている楽曲です。

このアルバムのツアーの1曲目はアルバムの世界観に引き込むためにこのウィルオウィスプがセトリとして起用されていました。

このアルバムの中で1番ゆったりとした楽曲で、Aメロのシンセサイザーの音などからもどこかゲームミュージックのようなニュアンスを感じます。

まるでRPGで仲間を作ってゴールを目指すかのような感じではありますが、まさにそれはブレーメンの音楽隊にも通ずるところであるので、おそらくそうした世界観を演出したかったのでしょう。

歌詞は「光を背負って何処か遠くへ行こうとする米津さんの心境」を強く表現されているので、彼がこのアルバムを制作していた時にどのようなことを考えていたのかが垣間見える楽曲ともなっています。

(ウィルオウィスプの歌詞解釈記事はこちらです。)

 

7.夜の底から何処かへ行くために『Undercover』

先ほどの曲とはガラリと変わって、一気に暗いメロディーのポップミュージックへと移っていきます。

「身を隠す」という意味の英単語がタイトルについているこの曲は、主人公の気持ちが沈んでいるところからどうやってその鬱屈さを吹き飛ばして行けば人生に満足するのかという少し哲学的な米津さんの思想が込められている、色々と聞いた後に考えさせられる楽曲です。

ちょっとマイナーな曲なのですが、意外と米津さんの過去の闇の部分が歌詞から読み取れるので個人的には歌詞解釈をしていて「なるほどなぁ〜」と思うところがたくさん合った楽曲でした。

(Undercoverの歌詞解釈記事です。)

 

8.ダークでヘビーなギターロック『Neon Sign』

先ほどの『Undercover』に引き続きヘビーでダークな雰囲気なギターリフからスタートする楽曲です。

どこか1stアルバムの『diorama』に収録されている『ディスコバルーン』のリフに近い感じがするのですが自分だけでしょうか??

サビのメロディにとても中毒性があり、「また出会おうぜ」の部分などが少し歌謡曲のようなメロディラインで耳に残るんですよね。

「この曲の制作当時の頃は聖書を読んでいることが多かった」とインタビューで口にしているように、聖書の一部がいくつか歌詞に散りばめられているので、それがどういう意味なのかを解読しながら曲を聴いていくのも楽しい1曲です。

(Neon Signの歌詞解釈記事はこちらです。)

9.すれ違ってもまた出会う『メトロノーム』

この曲は、恋人同士の温度間のズレをメトロノームに比喩して歌っている失恋ソングです。

メロディがとにかく綺麗で切ないのが特徴で、音楽番組の「関ジャム」でも有名作曲家が「この曲のメロディは素晴らしい!」と取り上げるほどの名曲なんですよね。

米津ファンでカラオケに行くとよく入れられるほど、ファンの中でも評価の高い1曲です。

PVはこのアルバムでは唯一の米津さんのイラストを用いた動画となっています。細かいタッチの絵ばかりで、これ何時間かけて描いたんだろう…と途方にくれてしまうPVとなっています。

(メトロノームの歌詞解釈記事はこちらです。)

 

10.一緒にいたくてもいられない2人の愛『雨の街路に夜行蟲』

イントロからすでに聞こえるシンセサイザーのリフが印象的で、どこかジブリ感のあるメロディのように思えるこの楽曲。

ギターリフもトレモロが強くかかっていて、虫のさざめきのような音作りになっています。

この曲もそこまでテンポは速くなく、じっくり歌メロを聞かせるような曲ですね。

歌詞は「ロミオとジュリエット」のような世界観を持った歌詞になっていて、一緒にいたいけどいられないということを歌っています。

なんだかメトロノームといいシンデレラグレイといい、恋人と一緒にいられないことを歌う楽曲が多いところからも何か察せそうな気がしますが、多分それは合っていないでしょうね…笑

(雨の街路に夜行蟲の歌詞解釈記事はこちらです。)

 

11.弾丸のような歌詞のAメロが頭に残る『シンデレラグレイ』

メトロノームに引き続き、こちらも失恋ソングですが今度はバラードではなくロックで愛する相手がいなくなってしまった哀しみを歌っています。

Aメロは曲のスピードに対しての言葉数が非常に多く、そこがこの曲の中毒性を非常に大きくしている最大の理由です。

また、歌詞もものすごく女性なら共感できるような等身大のリアルな失恋の気持ちを描写しているんですよね。。歌詞数も相まって相当痛烈な内容となっているのも見逃せません。

特にラストのサビに向けて心のつらさを最大限まで叫ぶCメロの盛り上がりは悲痛な女子の心そのままといった感じですね。。

(シンデレラグレイの歌詞解釈記事はこちらです。)

 

12.あのツイキャス限定曲が収録!『ミラージュソング』

米津さんがツイキャスでよく弾き語りをしていてあの名曲がついにアルバムに収録されました!

非常にリズミカルなAメロと心地よい中にどこか哀愁のあるサビが耳に残る、個人的にこのアルバムでイチオシな1曲です。

「何にもない日常にこそ幸せがある」という、ついつい背伸びをしがちな忙しない毎日を過ごす人たちに対して、ミラージュソングからアルバム最後に向けてこのメッセージが一貫していて向けられているので、ぜひ歌詞もしっかりと味わっていただけたらなと思います。

(ミラージュソングの歌詞解釈記事はこちらです。)

 

13.つらくなったらここが帰る場所『ホープランド』

ファンタジーな世界観の中で、「誰かにとっての幸せでなく自分にとっての幸せは何か?」ということをリスナーに問いかける楽曲となっています。

キラキラしたSEやシンセサイザーを多用して華やかな遊園地のメリーゴーランドのようなポップさを演出しているサウンドが特徴的ですね。

米津さんはこうしたファンタジーな世界観を打ち出す時に、ボカロP全盛期の頃から3拍子や8分の6拍子を多用する傾向があることを知っているコアな米津ファンは、何だか昔から変わっていないなぁとどこか感じられること請け合いな1曲です。

(ホープランドの歌詞解釈記事はこちらです。)

 

14.何でもない日常が1番の幸せ『Blue Jasmin』

アルバム最後の曲はホープランドからあえて現実世界に呼び戻すために作ったという曲です。

イントロからアコギの音が気持ちいい1曲で、「些細な幸せが実は1番大きな幸せであるということを噛み締めながらまた歩いていこう」とリスナーに伝える歌詞が印象的な楽曲です。

ホープランドで「ここへおいで」という歌詞があるものの、それは結局何処なんだ?というところからアルバムの最後の曲として作られたこの曲は、米津さん自信もBremenの中でイチオシのオススメ曲として挙げているので、ぜひチェックです!

(Blue Jasminの歌詞解釈記事はこちらです。)

まとめ

Bremenの全曲レビューをしてみましたが、いかがだったでしょうか?

Flowerwallやメトロノームといったミドルテンポの楽曲が多かったり、反面でシンデレラグレイやミラージュソングのような早口な曲があったりと振れ幅の大きいアルバムだったのではないかなと思います。

本当にこのアルバムは歌詞の「深さ・辛辣さ・肯定」の要素がぎゅっと詰まっているので、個人的には歌詞カードをしっかりと読みながら意味を咀嚼して聴くことを強くオススメしたいです。。

BOOTLEGではさらにそれを進化させつつ、様々なアーティストとコラボすることで全くジャンルに捉われない音楽を作ることに成功しているのでそちらもぜひチェックしてみてくださいね!

 

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Bremen [通常盤][CD] / 米津玄師