【米津玄師がドーナツの穴に込めた真の意味】ドーナツホールの歌詞の意味を解釈・考察

2018年6月28日

ドーナツホール、心の空虚感をそのまま歌詞にした楽曲ではありますが、ところどころ歌詞の意味合いが取りづらい部分がありますよね…。

そこで、今回は米津さんがハチ名義の頃から10年近くファンであり続ける僕が、米津さんの過去や思想・価値観などを織り交ぜて歌詞を徹底的に深く解釈していこうと思います!

(サムネイル画像出典:https://www.youtube.com/watch?v=qnX2CdOBcDI)

 

ドーナツホールの曲にまつわる情報

ドーナツホールはハチ名義で2013年10月28日に出された楽曲で、ニコニコ動画でボーカロイドのGUMIを使って作られました。

もともと米津さんの過去の経歴のスタートはボカロPで、マトリョシカパンダヒーローを以前から大ヒットさせていた人で有名ですね。

そのボカロPとして久しぶり(約2年9ヶ月ぶり!)の曲リリースだったので、この時かなりボカロ界隈は沸きました。

そして、米津玄師名義での2ndアルバム「YANKEE」には本人のセルフカバーとして、米津さんが歌われたこのドーナツホールのトラックが収録されています。

今もライブでは、先ほど挙げたようなボカロ曲と連続でバンド形式で演奏されることが多く、いわゆるセットリストの鉄板曲という位置付けになっています!


YANKEE [ 米津玄師 ]

 

ドーナツホールのPV

そして、こちらがドーナツホールの公式PVです。(再生回数1,600万回ってとてつもないですね…)

「ハチのボカロ曲と言えば中毒性の高い曲」というくらい、何度も聞いてしまう曲なので、今回のドーナツホールも同じ類ですね。リピートが止まりません!

ちなみにこのPVのイラストも映像編集も全て米津さんです。多才すぎる…。

PVの中に出てくる登場人物はそれぞれボーカロイドキャラクターである「GUMI」・「初音ミク」・「鏡音リン」・「巡音ルカ」の4人ですね。

衣装もキャラの顔も米津さんタッチで描かれているので、意外と言われないとボーカロイドのイラストだと気づかない人も多かったりします。

ドーナツホールのギターコード

ギターコードはいつもの見やすいUフレットから引っ張ってきました!

http://www.ufret.jp/song.php?data=9000

2フレットにカポをつけての演奏となりますが、使われているコードは基本的にAm,Dm,E,Fの4つですね。そこまで難しくないので弾き語りは割としやすい曲なのではないでしょうか?

ただ、ラストサビで半音上がるのでその点だけ難しいと感じるかもしれませんが…。

 

演奏面においてですが、基本的には8ビートで弾いていき、Cメロの部分はミュートピッキングでかなり落ち着かせた感じにすると原曲の感じが出るのかなと!

YouTubeにギターで弾いてみた動画がかなり多くアップされているので、これらを参考に練習してみるといいかもしれませんね!

 

ドーナツホールのインタビュー記事

こちらがドーナツホールの制作に関して米津さんが語っているインタビュー記事です。

米津さんがどうして肉声で自分でボカロ曲を初めて歌ってみたくなったのかについての理由や、ニコニコ動画と彼の関わりの変遷も追えるのでファン必見な内容ですね!

・Real Sound

http://realsound.jp/2014/04/post-444.html

 

ドーナツホールの歌詞の意味を解釈・考察

この曲は、ざっくりといえば「記憶に無いはずの大切な人」のことを日常の中で思い出そうとする過程の主人公の歌です。

ドーナツホールが意味することと、この「大切な人」と主人公の関係性については歌詞を紐解きながらお話できればと思います。

それでは早速歌詞の意味を考察していきましょう。

ドーナツホール_1番Aメロ前半歌詞の意味・解釈

いつからこんなに大きな思い出せない記憶があったか

どうにも憶えてないのを ひとつ確かに憶えてるんだな

もう一回何回やったって思い出すのはその顔だ

それでもあなたがなんだか思い出せないままでいるんだな

(出典: ドーナツホール 作詞:米津玄師 作曲:米津玄師)

今回はAメロの歌詞が多いので、前半・後半と分けてあります。

いきなり小説の1行目のような書き出しでスタートするこの曲。

歌詞にある「大きな思い出せない記憶」が何だったのかを中心に物語は進んでいくようなので、ここに注目して歌詞を読み解いていくといいかもしれません。

皮肉なことに憶えていないことだけを憶えているという状態になっているという表現も、非常に米津さんらしい歌詞となっていますね(笑)

 

覚えているのはなぜか顔だけで何度思い出そうとしても、それ以外の「あなた」が思い出せない。

主人公のこの必死に思い出そうとする情景描写をスタート地点に物語は展開されていきます。

 

ドーナツホール_1番Aメロ後半歌詞の意味・解釈

環状線は地球儀を巡り巡って朝日を追うのに

レールの要らない僕らは望み好んで夜を追うんだな

もう一回何万回やって思い出すのはその顔だ

瞼に乗った淡い雨 聞こえないまま死んだ暗い声

(出典: ドーナツホール 作詞:米津玄師 作曲:米津玄師)

公転周期や自転周期のような自然の摂理的な意味合いで必ず「朝」が平等にやってくるのに、そういったレールに乗らずとも僕たちは「夜」を追ってしまうという歌詞。

おそらく後に出てくる「毛布とベッドの〜」のくだりがヒントになると思うのですが、主人公は夜に色々と「あなた」のことを思い出してしまうのでしょう。

後半部分の歌詞を見ていくと、「雨降る様子が目に映り、誰かの暗い声がするけどそれは聞こえないで過ぎ去った」という情景描写の歌詞が続きます。

考え事を雨の中でしているようですね、そしてこの「暗い声」の主は、「あなたを」思い出せない自分なのかもしれません。

ドーナツホール_1番Bメロ歌詞の意味・解釈

何も知らないままでいるのが あなたを傷つけてはしないか

それで今も眠れないのを あなたが知れば笑うだろうか

(出典: ドーナツホール 作詞:米津玄師 作曲:米津玄師)

「何も知らないままでいることで傷つけてはしないか?」「逆に私が何も知らないけれど顔だけ思い出せているこの状態を、あなたがもし知ったら笑うだろうか」とあるように、「あなた」はどうやら主人公が何をどう考えているかは現時点で何も知らないようです。

Aメロからの流れを総括すると、どうやら主人公にとってどうにも思い出せない記憶は「あなたが何者なのか」ということがBメロまでの歌詞でよく分かりました。

それではサビへ続きます。

ドーナツホール_1番サビ歌詞の意味・解釈

簡単な感情ばっか数えていたら

あなたがくれた体温まで 忘れてしまった

バイバイもう永遠に会えないね

何故かそんな気がするんだ そう思えてしまったんだ

上手く笑えないんだ どうしようもないまんま

(出典: ドーナツホール 作詞:米津玄師 作曲:米津玄師)

「簡単な感情ばかり」は、せわしなく過ぎる毎日なのかもしれません。淡々と仕事をしてご飯を食べて寝るという繰り返しの中で忘れていくような。

そして、「あなたがくれた体温」は、触れ合いやぬくもりを感じさせますね。筆者はこの表現から「あなた」と「主人公」は恋愛もしくは親子関係にあったのではないかと考えています。抱きしめたりする行為はその2つの関係性の上で行われるのが一般的です。

ただ、現状「あなた」はいなくなってしまっているので、”ドーナツホール”の曲全体を通したテーマとして「失恋・恋人の死」もしくは「親の離婚・死」が仮説として考えられます。

それでは2番の歌詞へ。

ドーナツホール_2番Aメロ歌詞の意味・解釈

ドーナツの穴みたいにさ 穴を穴だけ切り取れないように

あなたが本当にあること 決して証明できはしないんだな

もう一回何回やったって思い出すのはその顔だ

今夜も毛布とベッドの隙間に体を挟み込んでは

(出典: ドーナツホール 作詞:米津玄師 作曲:米津玄師)

キーワードの”ドーナツの穴”が歌詞に出てきました。ドーナツの穴を物理的に切り取ったらそれは穴ではなくただの空間になってしまう様子になぞらえて、頭の中に「あなた」の顔が出てくるのは確かだけど、穴のように「あなた」が本当にいたかどうかという存在の証明はできないということを歌っています。

「今夜も〜」のくだりで上述したように、主人公は夜に何度もこのことを考えているようです。

ドーナツホール_2番Bメロ歌詞の意味・解釈

死なない想いがあるとするなら それで僕らは安心なのか

過ぎたことは望まないから 確かに埋まる形をくれよ

(出典: ドーナツホール 作詞:米津玄師 作曲:米津玄師)

“死なない想い”「あなた」への「愛」のように考えると先ほど仮説立てたものにはうまく当てはまります。

“過ぎたこと”は、先ほど仮説立てた失恋や離婚、それにまつわる死なのでしょうか?とにかくそのことでマイナスになってしまった穴を埋めるものが欲しいと主人公は思います。

ドーナツホール_2番サビ歌詞の意味・解釈

失った感情ばっか数えていたら

あなたがくれた声もいつか 忘れてしまった

バイバイもう永遠に会えないね

何故かそんな気がするんだ そう思えてしまったんだ

涙が出るんだ どうしようもないまんま

(出典: ドーナツホール 作詞:米津玄師 作曲:米津玄師)

“失った感情”という歌詞は、1番サビと比較すると「複雑な感情」かもしれません。

複雑な感情とは、物事に対して表面的でなく、心の底からじっくり味わうような感情。

そして、「あなたがくれた声」はほぼイコールで1番サビの”体温”と同じ要素になります。

結論として、上記のようにサビの機能性は1番と同じと言えます。

ドーナツホール_Cメロ歌詞の意味・解釈

この胸に空いた穴が今 あなたを確かめるただ一つの証明

それでも僕は虚しくて 心が千切れそうだ どうしようもないまんま

(出典: ドーナツホール 作詞:米津玄師 作曲:米津玄師)

メロディはサビと同じですが、「この胸に空いた穴」とはまさに「ドーナツホール」のこと。曲全体のキーワードを表現した歌詞が登場します。

「あなた」の存在を証明できないと2番Aメロで歌っていましたが、反対に「自分の胸に空いた穴こそが、あなたがやはりいたという証明になっている」と逆説的に歌っています。

過去に米津さんはハチP名義で「バウムクーヘン」という曲も出していますが、こちらの楽曲も「自分の心に空いた穴」の比喩としてドーナツ同様にバウムクーヘンを出していたので、もしかしたらそちらとの繋がりも若干意識しているのかもしれませんね。

ドーナツホール_ラストサビ歌詞の意味・解釈

簡単な感情ばっか数えていたら あなたがくれた体温まで 忘れてしまった

バイバイもう永遠に会えないね

最後に思い出した その小さな言葉

静かに呼吸を合わせ 目を見開いた

目を見開いた 目を見開いた

あなたの名前は

(出典: ドーナツホール 作詞:米津玄師 作曲:米津玄師)

前半は1番サビの繰り返しですが、後半で新しい歌詞が登場します。

最後に思い出した小さな言葉は「あなたの名前」。果たして恋人関係であったら名前を忘れるという現象は起こるのでしょうか?

ドラマのように何かのショックで記憶喪失になっている人であれば分かりますが、一般的にそのような人は数として多くありません。

そこで、より一般性を持たせるとしたら「生き別れの家族」の関係性をここに当てはめると非常に具体的な絵が浮かんでくると筆者は考えます。

解釈をしながら頭の中をよぎったのは米津さんの「少年漫画っぽい曲を作りました」というニコニコ動画の投稿文

これを思い出していると、たまたまですが自分や米津さんの年代の男子のほとんどが読んでいたであろう少年ジャンプの「シャーマンキング」というアニメや、コミックボンボンの「真・女神転生 デビルチルドレン」などが思い浮かびました。

どちらも「親や兄弟との生き別れで離れ離れになってしまっているけれど、夢には顔だけ出てくる」といった要素があります。

このようなところから、今回の歌詞解釈では恋愛関係ではなく、そちらの関係性を「主人公」と「私」の関係性として解釈を終えたいと思います。

 

まとめ| ドーナツホールの歌詞の意味を解釈・考察

ドーナツホールの歌詞とメロディの意味・解釈を考察をしていきましたが、いかがだったでしょうか?

「あなた」がいなくなってしまった心に空いた穴をドーナツに見立てて、自分の心の寂しさや空虚な感覚を歌った歌でした。

この「主人公」と「あなた」の関係性は一旦結論を出してみましたが、正直辻褄さえ合えばどんな関係性も正解になるので、逆説的に正解は無いと思います。

米津さんの曲は「曲の歌詞から絵やストーリーは思い浮かぶけれども、具体的な部分はしっかり見えないので、結果的に普遍的なメッセージを届けられる」という特性を持った曲が多く、今回のドーナツホールもその類の歌詞だったかなと感じています。

 

ただ余談ですが、この歌の主人公と「あなた」の存在が何かを比喩しているのかと考えられる方も多いと思うのですが、とりわけ「米津玄師」と「ボカロPとしてのハチ」を置いていると考察する方もいらっしゃいました。

とても面白い着想だなと思う反面、おそらく米津さんはそこのキャラクターの二面性については長いこと「境目とかはdiorama以降なくて、意識していない」という旨のコメントを色々なところで残しているので、おそらくあまり関係はないような気が個人的にはしています。

(2017年発表の”砂の惑星”に関しては、マジカルミライのテーマ曲ともあって、ニコニコ動画を比喩しているのは確実ですが!)

 

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YANKEE [ 米津玄師 ]