米津玄師のLOSERはなぜJADEのCMに合っていないのか?

2018年6月28日

最近、米津玄師さんのヒットソングである『LOSER』がHonda「JADE」のCMソングに決まりましたね。

おかげさまでこのブログのLOSERの歌詞解釈記事も、今までの3倍以上読まれているというフィーバーが起きております。。ありがとうございます。。

 

さてこのCM、映像自体は車の映像によくあるような「ターゲット層であろう夫婦が街中をおしゃれに車で走行するようなCM」になっています。

個人的にはこのCMの車の色はすごく好きですが、今回はそういう話は割愛します…。

 

しかしCM曲として起用されたものの、「このCMとLOSERが全然合っていない」という声がTwitter上で数多く上がり、CM初公開の日はTLでずっと話題に上がっていました。

このツイートは秀逸ですね…(笑)

もちろん「米津さんのことだからきちんと考えて曲を使用しているのでは?」という肯定派のファンの意見もありました。

これはこれで確かにそうかもしれないとも思うので、納得です。

 

この賛成派・反対派の意見を鑑みた上で、僕は「この曲はCMに合わないんじゃないかな〜」と感じました。

しかし、単純に「なんとなく合わない」だと全然理由になっていないので、普段歌詞解釈記事を書いている人間からすればこれはきちんと「なぜ合わないのか?」を解釈せねばならないと思いました。

そこで、今回は半ば謎の義務感から、この「LOSERがなぜJADEに合わないのか問題」を細かく考察していきたいと思います!

※曲の合う合わないの意見を押しつけるつもりはないので、あくまで純粋な一解釈として判断してもらえればと思います。

 

JADEの背景とLOSER起用の理由

まず、とても簡単にJADEの紹介をします。

この車種、実は発売以来全然売れていない車種なのです。

https://toyokeizai.net/articles/-/116472

上記の記事を読んでみるとたしかに全然売れていません。。

 

おそらくHondaから依頼を受けてCM制作を受け取った広告代理店側は、CMで売り上げ回復を狙うことを考えた時にこの商品の背景を知り、「これは車業界において負け犬じゃないか」というように読み取ったのでしょう。

そして、たまたま『Lemon』『打上花火』で一気に知名度を上げてトレンドになっていた米津玄師の曲の中にJADEの状況と同様の『LOSER(=負け犬)』があることに知っていたのか調べたのかで、この曲を起用するに至ったものだと思われます。

 

ここまで考えると、コンセプトやストーリー的には全く問題がありません。

誰が「これでGoしよう!」と最終判断をしたのかは分かりませんが、米津さん側も楽曲の使用においてはこのようなストーリーでCMで使うと言われれば非常に論理的な理由での起用かつ「LOSERから這い上がる世界観」に繋がるので、曲の使用を承諾したのではないのかなと思われます。

(単純にお金を稼ぎたいという目的だけであれば、マネジメント側もしくはレーベル側が有無を言わさず曲使用の承諾をするとは思いますが、こちらもちょっと定かではないですね…)

さて、このような論理的な説明・背景があって起用されたにもかかわらず、視聴者からは「曲が合っていない」と叩かれてしまう始末になっていますがこれはなぜでしょうか?

 

LOSERがなぜこのCMに合わないのか

LOSERとこのCMが合わない最大の原因は非常にシンプルで「曲調と映像に差があるから」だと僕は解釈しています。

まず曲調ですが、LOSERはそもそもサビがスピード感のあるアップテンポで、1小節内に言葉の数がとても多いため、メロディと相まって少し煩雑に聞こえます。

しかし、映像はおしゃれな男女が余裕を持って運転をしている様子が映し出されており、車はスピードを全然出しているように見えないどころか安全運転第一のような速度感で走っているように見えます。

そして極め付きは、最後のナレーションが一切「LOSER」と関係がないこと(良い悪いは置いておいて)。

最低でもここで「なぜ負け犬ソングのはずのLOSERを起用したのか?」を連想させるようなキャッチコピーを視聴者に伝えないと理解をすることは正直かなり難しいです。

普段から作品の意味や意図を深く考えているような人でないとおそらくこの起用の裏の意図を推測難しいはずなので、米津玄師ファンはまだしも一般のお茶の間の人は到底難しいことだろうと思われます。

 

以上から、この「曲調と映像のアンバランスさ」がLOSERがCM曲に合わない最大の理由だと僕は個人的に思いました。

その他にも「初めてLOSERを知った人からするとJADE=負け犬・敗北者の車?」という誤解されかねないイメージにも繋がってしまう点などにも問題はあるのですが、一番は上記の理由なんじゃないかなと思っています。

 

もしこのCMを上手く活用するのであれば〇〇をしたい!

米津玄師のLOSERはなぜJADEのCMに合っていないのか?①

もし僕がHondaのCM担当窓口でどうしてもLOSERを使うのであれば、「なぜ負け犬ソングをCMソングに起用したのか?」という理由を各種メディアに説明して記事にしてもらい、SNS上で拡散させる手法を取りますね。

そうすることで米津ファンから一般層の人に対して「Hondaはここまで深く世界観やコンセプトを考えてCM曲までこだわって選んでいる」というブランド認知をしてもらうことができるので、短期的に売り上げを伸ばすのではなく、長期的にHondaというブランド価値を向上させる方向に持っていく広報ができるんじゃないかなと。。

 

広告代理店側もここまで考えて曲を提案すべきだし、Honda側も提案されたものに対して「それで顧客に伝わるのか?」ということを考えるべきだったのですが、もちろんこうしてCM曲を実際に流さないと視聴者の反応は分からないので、しょうがないことではあります。

 

逆にこのLOSER起用が合っていると考えるとしたら?

ここまで論を立てておいてあれですが、僕は決めつけが好きではないので「もしLOSERがこの楽曲に合っていると考えるのであれば?」という逆サイドからの論も立てておきます。

 

まず、先ほど「負け犬というコンセプトが売れない車種のJADEにもこの曲にもある」という意見を書いたかと思いますが、それに加えて少しだけ捉え方をずらしたコンセプトも考えてみます。

コンセプトを「それぞれの個性に合わせた楽しみ方」とした時に、「LOSER」は「負け犬であろうが自分なりの生き方で輝いていこうぜ」という見方に、「JADE」は「様々なライフスタイルに合わせた楽しみ方ができる車」という見方にすることができます。

そうすると起用の理由としてはかなり説得力の高いものとなり、会議でも通しやすくなりますね?

曲調に関しては走っている車と楽曲の疾走感が合うといったところで押せばこれもまたクリアすることができるので、こういった形であれば「LOSER」がJADEのCMに合っているというロジックを立てられます。

 

まとめ

楽曲を映像に合わせて使用するのは本当に難しいです。

一度僕も仕事でラジオ出演させてもらって番組内で音楽をかけたことがあるのですが、「歌詞はいいけど曲が静かすぎる」というので流すのをやめた曲候補がありました。

この曲を起用した時に「曲をかけた側は世界観が映像にあっていることは分かっているけれど、そもそもそれが伝わりづらいのではないか?曲調が映像の雰囲気と合っているのか?」というのは非常に大事な要素になってくるので、僕たちも何かモノ作りをする時はあまり自分よがりになり過ぎずにお客さん側の気持ちも考えてモノを作るようにしましょう!

また、他にも様々な米津さんの楽曲がCMやドラマ・映画などに使用されていますので、ぜひ他の作品でどのような使われかたをしているのかもチェックしてみてくださいね!

 

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