【米津玄師】【就活生の闇】NANIMONOの歌詞の意味を解釈・考察

2018年6月28日

NANIMONOの曲にまつわる情報

“NANIMONO”は浅井リョウさん原作の小説の映画「何者」の主題歌で、中田ヤスタカさんとコラボして作られた曲となっています。


NANIMONO EP/何者(オリジナル・サウンドトラック)

この「何者」は、就職活動中に知り合った大学生4人がSNSの関わりを通しつつ、それぞれの未来を描こうとするストーリーで、現代の就職活動のネガティブな面やその中での若者の葛藤を描き、「結局、将来自分はどうなっていくのか?=何者になっていくのか」を考えていく、そんな映画になっています。

今回はタイアップ曲かつ中田ヤスタカさん名義の曲にフィーチャリングという形で米津さんが加わっているので、普段のような曲構造や歌詞の長さではありませんが、その点を前提に置きながら”NANIMONO”の歌詞解釈をお楽しみいただければとお思います。

NANIMONOのPV

そして、この曲はPVも制作されています。

米津さんが実写で出てきてダンスをしているのが印象的ですね。

この頃はまだ『LOSER』が出ていない頃だったので、彼がこうして踊ったりするようなPVは当時のファンからすると「米津玄師が動いている!」と驚愕な感じでした(笑)

公式Youtubeから出ているミュージックビデオがこちら!

NANIMONOのインタビュー記事

インタビュー記事はこちら。今回は米津さんだけでなく、中田ヤスタカさんのインタビューも載せておきました。

どちらの意見も汲み取りながら歌詞を見ていくと新たな発見があるかと思います。米津さんはこのインタビューで、「斜に構えたり人を観察する映画の主人公が自分と似ていて、歌詞にしやすかった」とコメントしているので、「何者」は一度チェックした方がいいかもしれませんね。

・ナタリーミュージック

http://natalie.mu/music/pp/nakatayasutaka

・リアルサウンド

http://realsound.jp/2016/10/post-9508.html

 

NANIMONOの歌詞の意味を解釈・考察

まさに映画の主人公の目線から「将来、自分が何者になるのかが分からなくて悩む若者」を描いた世界観となっています。

かなり歌詞が短いのですが、その分米津さんにしては分かりやすい歌詞となっているので理解はすんなりいくかと思います。

個人的に、今回の歌詞解釈はこれから社会に出て行く大学生や高校生にしっかり読んでもらえると大きな学びになるのではないかなと思っています。

それでは早速、歌詞解釈をしていきましょう!

NANIMONO_1番Aメロ歌詞の意味・解釈

踊り場の窓から 人並みを眺めていた

僕らはどこへ行こうか 階段の途中で

(出典: NANIMONO 作詞:Kenshi Yonezu 作曲:Yasutaka Nakata)

「踊り場の窓から人波を眺めていた」、これは映画としての側面から見ると、おそらく就職活動生を指しています。

そうでない場合、右へ倣えのスーツを着た大勢のサラリーマンともとらえることができますね。

“踊り場”という歌詞は階段の踊り場のこと。つまり、これから社会へ出ようとする就職活動生の”人生の岐路”を比喩しています。

そして、この踊り場から先ほどの人並みを見ながら「僕らはどこへ行こうか、何者になろうか」と、就職活動を”階段”に見立てて、将来の自分の姿を考える主人公たちの様子を描写した歌詞が後半部分となっています。

NANIMONO_1番サビ歌詞の意味・解釈

不確かな言葉を携えて 呼吸を揃えて初めまして

そんで愛されたのなら大歓迎 繰り返し向かえ遠く向こうへ

(出典: NANIMONO 作詞:Kenshi Yonezu 作曲:Yasutaka Nakata)

「不確かな言葉」は丸暗記した志望動機や自己PRを、「呼吸を揃えて初めまして」は横一直線に並んだマニュアル通りの回答を面接やグループディスカッションで行う、いわゆる”量産型就活生”をそれぞれ指しています。

そして、「愛されたのなら大歓迎」は、企業に内定したことを米津さんは比喩しているのだと思われます。

「繰り返し向かえ遠く向こうへ」の解釈ですが、誰もが「ES→面接→内定・不合格」という一連の同じ流れをコツコツと繰り返して繰り返していく中で、遠い未来で自分が何者なのかが見えてくるという価値観を暗に提示していると考えられます。

自分が何をしたいのか何者なのかは考えても出てこないので、自分がいいなと思ったことに対して愚直に行動を起こし続けて、あとになって振り返ると「自分だけの道=アイデンティティ=何者」が分かるようになってくるというようなメッセージ性を込めているように解釈ができます。

米津さんは経歴的に就職活動をおそらくしたことがないはずなのですが、ここまで深く就職活動生のの気持ちに立った歌詞を書ける、その共感性に脱帽です…。

NANIMONO_2番Aメロ歌詞の意味・解釈

結局僕らはさ 何者になるのかな

迷い犬みたいでいた 階段の途中で

(出典: NANIMONO 作詞:Kenshi Yonezu 作曲:Yasutaka Nakata)

「結局、僕らは何者になるのか」と主人公は自分の悩みをストレートに言葉にします。

1番同様”階段の途中”を就職活動に、”迷い犬”を主人公たちに見立てて将来への不安や希望が入り混じった思いを表現しています。

NANIMONO_2番サビ歌詞の意味・解釈

大胆不敵に笑ったって 心臓はまだ震えていて

それでもまたあなたに会いたくて 下手くそでも向かえ遠く向こうへ

(出典: NANIMONO 作詞:Kenshi Yonezu 作曲:Yasutaka Nakata)

「大胆不敵に笑ったって 心臓はまだ震えていて」、これは就職活動の場面で考えると様々な場面が考えられます。

例えば、内定をもらって嬉しがり、周りの就活仲間に「オレ、内定取ったよ」と自慢がちに笑って言いつつも、内心では「本当にこの会社に行っていいのだろうか?」と少し心配している場面などがすぐにイメージできると思います。

そんな思いを持ちつつ「それでもまたあなたに会いたくて」と続きます。

ここでいう”あなた”とは一体誰のことでしょうか?

おそらく、”あなた”=”何者かになった将来の自分”だと考えるとぴったり当てはまります。特に歌詞の「また」という部分がこれを裏付ける言葉になるかなと思っているのですが、「内定を得た→何者になる姿がおぼろげながら少し見えた→でも本当にそれが”自分の何者”なのだろうか?→”また”もっと自分に合う会社があるのではと思い行動を起こしていく」という、このような一連の行動と思考の流れが、「また」という言葉から見えてくるので解釈としてはアリなのではないかなと筆者は感じています。

NANIMONO_ラストサビ歌詞の意味・解釈

大根役者でいいとして 台本通り踊れなくて

ただまっすぐ段を登っていけ わかっちゃいたって待ちぼうけ

みっともないと笑ってくれ 僕に名前をつけてくれ

踊り場の窓に背をむけて 前を見て向かえ遠く向こうへ

(出典: NANIMONO 作詞:Kenshi Yonezu 作曲:Yasutaka Nakata)

「大根役者でいいとして 台本通り踊れなくて」は、マニュアル通りに生きる生き方を指しています。

戦後以降、日本は経済発展をしていきましたが、それは欧米のやり方を真似つつ、人員数を増やしてひたすら同じやり方をすれば儲かるという、過去の組織文化に基づいたマニュアル的な生き方のこと。「男は稼がなければならない」「仕事は我慢するもの」といった考え方などが代表例です。

その生き方に対して、現代の若者は「そのやり方は分かっているけれど、どうもやる気が起きない」と「待ちぼうけ」しています。モチベーションの源泉がどこなのかが自分でも分からないという現象ですね。

(ちなみにこの現象については、こちらの本で詳しく書かれていますので、学生で将来のことが不安、働きたくないのはなぜだろう?と思う人は是非ご一読することをオススメします。)

主人公は、そのように周りと同じように歩けない・働けないことに対して「みっともないと笑ってくれ」と言い、さらに自分では自分が何者かが分からないから「自分の代わりに自分が”何者”かを定義してくれ、名前をつけてくれ」と本音を吐いてしまいます。

もちろん、他人が定義なんてすることはできないと主人公はわかっていて弱音を吐いています。頭ではわかっているので、結局のところは「そうは言っても何も進まないから、とりあえず行動を起こそう」と、ついに主人公は踊り場の窓に背を向けて、また歩み出すのです。

まとめ| NANIMONOの歌詞の意味を解釈・考察

“NANIMONO”の歌詞の意味を紐解いていきましたが、いかがだったでしょうか?

現代の若者の就職活動を通じて、彼らの労働観はもとい「自分はどうなっていくのかの将来を考えても見えない」という、生きていくことの大きな葛藤のテーマに段々と迫っていく歌詞でした。

まさに社会のレールに乗らない・マニュアル通りに生きていない米津さんだからこそ、このメッセージを伝えたかったのだろうし、伝えられるのでしょうね。

他にもこうした映画やドラマ、CMなどのコンセプトに沿った形で米津さんは様々な楽曲を提供しているので、ぜひ他のタイアップ曲も「なぜタイアップ曲になったのだろう?」と考察してみてくださいね!

 

↓他の人気記事はこちら!↓

【米津玄師による”出会いと別れ”】アイネクライネの歌詞の意味を解釈・考察

【ハチP/米津玄師】砂の惑星の歌詞・PVの意味を解釈・考察

 

↓米津ファンなら絶対知っておきたい米津さん自身に関する記事も要チェック!↓

【現在までの過去を完全解説】米津玄師の経歴とそこから見える才能とは

【これで完璧!】米津玄師の髪型・セット大全

米津玄師のファッションブランドを全部リストにしてみた

 


NANIMONO EP/何者(オリジナル・サウンドトラック)