【米津玄師】ナンバーナインの歌詞の意味を解釈・考察

2018年6月28日

 ナンバーナインの曲にまつわる情報

ナンバーナインは、米津玄師さんの5枚目のメジャーシングル「LOSER/ナンバーナイン」の両A面シングルのうちの片方のA面ソングで、ルーヴル美術館特別展「ルーヴルNo.9 ~漫画、9番目の芸術~」の公式イメージソングとしてタイアップ曲にもなっています!

4thアルバム「BOOTLEG」の10曲目にも収録されていますが、シングルカットもされているナンバーナイン仕様の初回限定版がもうなかなか出回っていないので、米津ファンならこちらのシングルをゲットしておきたいところですね〜。


LOSER/ナンバーナイン(ナンバーナイン盤 初回限定)(CD+DVD+7inchサイズギャラリーパッケージ)

このタイアップに関して、米津さんは元漫画家志望で芸術大学にも通っていたこと、今もイラストレーターとして活動していることから「俺以外に適任者がいない」と米津さん本人が言うほどのマッチ度だったようで、話をもらってすぐにナンバーナインを書いたそうです。

この曲はアップテンポで少し浮遊感のあるエレクトロなサウンドを取り入れていながらも、歌詞に関しては意外と暗めな感じがするというアンバランスさがどこか心地いい楽曲となっています。

(※サムネイル画像出典:https://www.youtube.com/watch?v=vP6l_p4KJpI)

ナンバーナインのPV

公式PVは存在するのですが、今のところYoutubeにはTrailer映像としてのCM用PVカットしかアップされていませんので、そちらをアップします。

おそらくPV全編は2017年11月に行われたBOOTLEG全国最速試聴会で流れたのが最初で最後かもしれませんね。

僕もこの試聴会には参加したのですが、イラストがサムネイルの通りに可愛い感じなのに加え、米津さんがうねうねとダンスをしながら歌っている姿が印象的な不思議なPVだった記憶があります。

ナンバーナインのインタビュー記事

インタビュー記事はこちら!

やはりシングル曲でかなりたくさんインタビュー記事があるので、かなり米津さんの作曲時の気持ちや曲に込めた想いを読み解くことができそうですね。米津ファン必見です!

・Real Sound

http://realsound.jp/2016/09/post-9419.html

・ナタリーミュージック

https://natalie.mu/music/pp/yonezukenshi08

・rockin’on.com

https://rockinon.com/feat/yonedukenshi_201608

 ナンバーナインの歌詞の意味を解釈・考察

ナンバーナインは、砂漠をモチーフにして過去・現在・未来の時間軸を行き交う中で「文化」や「作品」がどのように隆盛していくのかについて描いている歌詞が特徴的です。

それでは早速歌詞解釈に移っていきましょう!

ナンバーナイン_1番Aメロ歌詞の意味・解釈

歩いていたのは 砂漠の中 遠くに見えた 東京タワー

君の抱いていた ボロいテディベア 笑ってみえた どこへ行こうか

海みたいに 砂は燃えた かつてはここで 人が生きた

先を急いだ 英智の群れが 壊したものに 僕らは続いた

(出典: ナンバーナイン 作詞:米津玄師 作曲:米津玄師)

インタビュー記事の中で、米津さんは「バンドデシネ=砂漠のイメージ」と言っています。海外の漫画で特にフランスやベルギーの漫画のことを「バンドデシネ」と言うのですが、その巨匠のメビウスという人が砂漠をモチーフにしたものをよく描くそうで、今回のルーブル美術館のタイアップということから、そのイメージを歌詞に持ってきたようです。

東京タワーに関して、カップリングの「Amen」の楽曲にも「東京」という歌詞が登場していますが、これは「東京」という具体的に存在している場所が砂漠になったらどうなるのかという空想に紐づくものだそうです。

なので、砂漠の東京という舞台の中に主人公とテディベアを抱いた君の2人がどうやら物語にはいるようです。

このテディベアが”ボロい”ということと、この先の歌詞の「砂は燃えた、ここで人がかつて生きていた」という歌詞は連動していると僕は考えます。

というのも、「先を急いだ英知の群れ」をとても分かりやすく比喩するとダイナマイトや原爆のようなものが東京を砂漠にしたという設定だからと考えるからです。

「最先端の科学(=先を急いだ英知)が東京を壊したが、僕らはその壊れた後の場所に生きていて、その壊れた時の衝撃でテディベアがボロボロになりボロくなってしまった」というように物語を考えるとかなりしっくりくるのではないかなと考えます。

ただ、本人たちはそれを悲しいものと捉えているかというとそうでもなく、「生まれてきた時からボロい街のままだからそれが普通だ」と当たり前のように捉え、明るく暮らしているというのが米津さんのインタビュー記事の中で話されていたことなので、その明るさに連動して「テディベアが笑っている」のではないかなと推測しています。

ナンバーナイン_1番Bメロ歌詞の意味・解釈

惑いも憂いも化石になるほど 嘘みたいな未来を想う

切なくなるのも馬鹿らしいほど 優しい未来

(出典: ナンバーナイン 作詞:米津玄師 作曲:米津玄師)

どんな悲しいことも化石になってなくなってしまうような未来を想像する。「切なくなる」というのは過去に想いを馳せた時に人は切なくなるので、その過去にしがみつく気持ちよりももっともっと魅力的な優しい未来が待っている、ということをここの歌詞では歌っています。

ルーブルのイベントになぞらえて、過去の歴史的大作と現在、これからの未来という時間軸をモチーフに米津さんは未来への希望についてここでは言及しているように解釈できますね。

ナンバーナイン_1番サビ歌詞の意味・解釈

恥ずかしいくらい生きていた僕らの声が 遠く遠くまで届いたらいいな

誰もいない未来で起きた呼吸が 僕らを覚えていますように

(出典: ナンバーナイン 作詞:米津玄師 作曲:米津玄師)

サビのメロディが優しいなぁと何度聞いても思います。そして、歌詞が綺麗の一言。

現在を生きている自分たちが過去になった時に、遠い未来で生まれて育った知らない人たちが何か過去のものを見て自分たちを思い出してくれたら嬉しいという、まさにルーブルの過去の大作を見ている私たち現代人をメタ視点で捉えた素晴らしい歌詞となっています。

「誰もいない未来で起きた呼吸」という表現が絶妙ですよね。誰もいないはずなのに呼吸があるというのは一見不思議ですが、”誰も”というのは”今の時間軸を生きている人が未来には誰もいない”という意味なのだと僕は考えています。

Bメロに引き続き未来への希望が歌われているという解釈に落ち着きながら、2番の歌詞解釈に進みます。

ナンバーナイン_2番Aメロ歌詞の意味・解釈

眩しくてさ 目を閉じたんだ 枯れた川を 辿りながら

ほんの向こうで 君の声が 呼んでいたんだ 確かに僕を

未来と過去が 引っ張り合うんだ か弱い僕らの 両手を掴んで

痛むことが 命ならば 愛してみたいんだ 痛みも全て

(出典: ナンバーナイン 作詞:米津玄師 作曲:米津玄師)

枯れた川は砂漠になった東京の川でしょう。それを辿っていくと、君の声が聞こえてきます。「ほんの向こう」という表現から察するに、君はもしかしたら「未来」の婉曲的な比喩表現なのかもしれません。

そのまま続く歌詞も未来と過去の話なので、おそらく合っているのではないかなと考えています。

未来と過去に引っ張られながら、それでもその痛みと共に生きるのが”今”という時間軸に生きる人間が必要な考え方なのかなと後半の歌詞を読んでいて感じます。

未来への希望と過去への後悔の念、未来への不安と過去の栄光。これらのような相反する時間軸と価値観の反転に両手を引っ張られる私たち現代人の在り方のようなものをここで米津さんは歌っています。

ナンバーナイン_2番Bメロ歌詞の意味・解釈

いまだに心は不揃いなままで 息苦しくなる夜もある

言い訳みたいな美意識すら 消えちゃう未来

(出典: ナンバーナイン 作詞:米津玄師 作曲:米津玄師)

先ほどのAメロ終わりの部分の解釈を元にすると、相反する2つの要素から「心が不揃い」というのも説明がつきます。

続く「言い訳みたいな〜」は、自分は悪くないぞと立場を守るための自分への美意識から来るような言い訳も、未来から見たら遠く果てて消えてしまっているよというメッセージ性を感じます。

今を正直に懸命に生きろ、ということですかね。

ナンバーナイン_2番サビ歌詞の意味・解釈

砂に落ちた思い出が息をしていた 遠く遠くから届いていたんだ

誰もいない未来の僕らの声が 美しくあれるように

(出典: ナンバーナイン 作詞:米津玄師 作曲:米津玄師)

砂漠となった東京の地面から出てきた思い出は確かに今も息をしていて、過去の時間軸から遠く遠く生き残っているという表現でしょう。

ルーブルもそうですし、世界遺産のようなものも同じ類で捉えられます。

そして、今を生きる僕たちも未来から見たら過去になるので、その時の未来で主人公たちも何か作品などを残して後世に伝えていきたいというのが、歌詞の最後の「美しくあれるように」という歌詞に込められているのではないでしょうか?

ナンバーナイン_Cメロ歌詞の意味・解釈

何千と言葉選んだ末に 何万と立った墓標の上に

僕らは歩んでいくんだきっと 笑わないでね

(出典: ナンバーナイン 作詞:米津玄師 作曲:米津玄師)

ここのCメロが、この曲で米津さんが一番言いたいことをストレートに表していると僕は思います。

「今までの数多くの歴史の中で多種多様な人(=何万という墓標)が残した言葉や作品(=何千と言葉選んだ末に)を通じて、今の文化が成り立っているのだし、未来から見たら今の文化すらも変なもののように映るかもしれないけど、その時は笑わないでおくれよ」という、米津さんの過去・現在・未来の3つの時間軸を元にした、文化の継承について歌われている曲なのだなと感じることができるかと思います。

現在に生きる僕たちからすると、昔の絵や埴輪や仏像などは「なにこれ?変なの!」と小学校の時に笑うこともあったかと思いますが、そのようなニュアンスで「笑わないでね」と未来の人たちへ言葉を残しているのだなと考えると、米津さんがここまで深く想像力を働かせて曲を作っていることが分かり感動してしまいます。。

普通の曲を作ってたら「笑わないでね」という歌詞は出てこないはずですので、きっと未来の人との会話を米津さんは自身の中で行いながら曲を作っていたのでしょう。

※ラストサビは1番と2番のサビを合体させたもので、歌詞に特に変更点がないので歌詞解釈は割愛させていただきます。

まとめ| ナンバーナインの歌詞の意味を解釈・考察

ナンバーナインの歌詞を解釈していきましたが、いかがだったでしょうか?

文化の成り立ちに対する米津さんの想いを、時間軸をモチーフに歌われた歌詞だなぁと改めて感じました。

音・歌詞・絵・映像・ダンスと様々なカルチャーに深く触れている米津さんだからこその過去の作品に対するリスペクトや未来への希望が感じられる、そんな素晴らしい楽曲がナンバーナインの本質だなと歌詞解釈をしながら思っていましたね。

このルーブルとのタイアップの例のように、他にも様々なCMやドラマなどにもタイアップを米津さんはしているのでそちらもぜひチェックですね。

また、同じ「砂漠」というモチーフを持っていて、且つニコニコ動画というカルチャーにも同じように言及した名曲『砂の惑星(+初音ミク)』も歌詞が深いので、そちらの記事もオススメです!

 

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