肺気胸で入院・手術・再発で6年間付き合ったからこそ言えること

肺気胸、つらいですよね。

この記事を書いているのは、当時1回目や再発時に自分がものすごくつらい気持ちになって「これ一生治らないんだったら働き出してから大変だし、プライベートは飛行機に乗りづらいから海外も安心して行けないのでは?」と考えていた時に、肺気胸の症状や入院記録みたいなのはあっても、そういう不安な気持ちに寄り添うような記事がなかったからです。

僕は19歳で1回目の左肺気胸を患い、そこから5回くらい再発。22歳で手術をするも、その後も逆の右肺の方で軽い気胸を何度か経験しています。

1回なってしまうと何度も再発しやすいこの病気だからこそ、「また入院してしまった」とメンタル的に落ちてしまう人もきっと多いだろうと思い、だったら色々と長く気胸と付き合ってきた自分が書いてみようと思い、今回ブログにしてみました。

 

目先のことを考えるとかなりつらいとは思いますが、意外と後の人生でプラスに思えることの方が多いので、この記事を読んで少しでも気が楽になってもらえると嬉しい限りです。

(※この記事の気胸は「自然気胸」を指していますので、悪しからず。)

 

肺気胸になった人へ

まず言えるのは「気胸で死ぬことはまずない」ということです。

(両肺同時とかだとちょっと話は変わりますが、そういったケースは今回除きます。)

 

肺気胸はガンや難病とは違い、たとえまたなったとしても少し休憩すれば治ります。軽い気胸なら入院しなくても自然治癒で治ります。

とはいえ、「なんで大事な時に自分がなっちゃうんだろう」と思うこともあると思いますし、それはそれで非常に正しい感覚です。

僕も最初に発症した時は、大学2年生の夏休み直前で海外留学に出発する1週間前だったこともあり、「期末試験をどうするか」という目先のことから「親に留学のキャンセル料や入院費を払わせることになってしまった…」ということに対しての申し訳なさが尋常なくあったので、かなり精神的に参っていました。

 

ただ、その後悔や不甲斐なさも心に留めておきつつも、ここで大事なのは「起きてしまったものはしょうがない」という発想・価値観です。

最初に病院に来ていきなりドレナージなどを突っ込まれた日には自分を恨めしく思えて仕方がないと思いますが、そこから自分を責め続けても何も生まれません。

もちろん、最初は責めてもいいとは思います。しょうがないと思いますし、そこから深く色々なことを考えるきっかけになると思うので、止めはしないどころか1回責める経験も大事だと思います。

 

ただ、長い間責め続けるのは自分もつらいですが、周りもつらくさせるので、そこだけは注意してほしいです。

今の体の状態を治して元気にまた暮らしてくれた方が周りは嬉しく思うのは想像出来ますよね?

ある程度責め終わって自分の中で消化できたら、次は「起きてしまったのだからこれからどうするか?」という方向を考えることです。

手術をするのも良し、あえて手術せずに退院するのも良し。

それぞれのパターンに応じて「どのようにこの病気と付き合っていくのか」を周りの人と一緒に考えていければ、きっとこの病気の経験は自分の人生においてプラスな経験になるでしょう。

もちろん、先ほどの自分に対する怒りとか周りへの申し訳なさは、それはそれで持っていていいと思うし、逆にもし周りの人が同じようにつらい立場・弱い立場になった時にその時のことを思い出せば、自分と似たような人にも優しく寄り添うことが出来ますので、それも含めて少しだけポジティブに考えてみてくださいね。

 

肺気胸になったからこそ考えられることがある

肺気胸は誰でもなるようなものじゃありませんし、入院をしたことがある人もそう日本には多くいません。

そして、この気胸という病気の性質の厄介なところでもある「手術をしないと再発しやすい」という時限爆弾のような病気を抱えている人も周りにはきっと少ないはずです。

だからこそ、そういった病気の経験があるあなたは、そういった何もつらい経験をしていない人よりも深く人生を考えるでしょうし、つらい立場の人の気持ちを考えて言葉をかけることができるようになると思います。

 

また、入院中はすることがあまりありませんので、ゆっくりと自分のことを考えたり本を読んだりすることができます。

そんな時間の中で、「自分はこれからどうしていくか?」ということを考えるのもすごく大切なことです。

学校に行ったり仕事をしたりと、日本人は特に忙しなく日々を過ごす人が多いので、「神様があえてここで立ち止まらせてくれた」と考えると、この気胸にも何か意味があるのではないか?と思うことができます。

実際にこの時間があったからこそ、自分は「これからの人生、自分と同じように気胸を始めとしたハンディキャップがある人がいたらその人が楽になるよう寄り添う生き方をしよう」と思うことができました。

また、先ほども書きましたが「入院しても死なないし、手術をしても死ななかった。こういう人生ならたとえお金をたくさんもらえてもやりたくない仕事はやらないで、いつ死んでも満足できるよう、好きなように生きよう」と人生について死生観と織り交ぜながら考えることができました。

 

今回、肺気胸になったからこそ考えられるものがきっとあるはずなので、「これには何か自分の人生において意味があって起きている」と思って色々と深く思考してもらう機会にしてもらえればなと思います。

 

手術で完全に治したいけど一歩踏み出せない人へ

さて、ここからは治療をしていく人のパターンに分けて話をしていきます。

 

いわゆる「完治」を目指すのであれば、手術で原因箇所を縫って治すのが一般的ですね。

「胸腔鏡手術」がポピュラーなやり方で、脇のあたりに1〜2cmくらいの穴を3つくらい開けてそこから内視鏡で手術をする方法です。

手術ミスなどの可能性はもちろん人間が行うので否めませんが、そうした万が一なことが発生しなければ成功率はほぼ100%に近い手術で難しい手術ではありません。

僕は最初の発症から2年くらいずっと再発が続き、就職を控えていたので「働いてからもこれだったらもう面倒だ!怖いけど手術してしまおう!」と、この術式で手術を受けました。

 

多くの人は発症した時に「手術すれば治るって医者も言ってるけど、正直めちゃめちゃ不安…」と思うと思います。というか、僕もそうでした。

ただ、「再発した時に全ての仕事やプライベートの予定がキャンセルになるリスク」と「手術の失敗確率がめちゃくちゃ低い中でその万が一が起こるリスク」のどちらが重いのかというように考えた時、僕は「あと60年とか生きるのであれば、今これを治さずに度々不安になる人生を送る方のが精神的にリスクだな」と思い、手術をする気持ちが固まりました。

 

また、「人間死ぬときは死ぬんだから、ここで死んだらまぁそこまでだったってことでいいや」という気持ちもありました。

いつ交通事故に遭うかも分からないし、いつ通り魔に刺されるかも分からない。

そんな世の中で生きているのが人間なんだから、これも同じようなものではあるけれど、そんな万が一のことが起こる可能性は確率で考えれば極めて低いもの。

そうであれば、やった方がいいのではないかな?と思ったんですよね。

 

そして、手術をして感じたことは「死が隣り合わせ」になる状況を経験したことによって「生きるとは何か?死ぬとは何か?」を今まで以上に深く考えるようになれます。

これはかなり重要なことで、多くの人はそういった危険性に隣り合わせになることがないので、あなたが思っている以上にそこまで深く人生や生死を考えていません。

深く考えないからこそ、人の言われた通りにしているだけの波風立てない人生を過ごして、定年後や死ぬ間際になって「1回だけの人生なんだから、もっと自分らしく生きればよかった」と言うことが多いです。

しかし、この手術の経験をすることでそういった自分なりの「死生観」が作られていくので、今後の人生においても「死なないのであれば、自分は誰に何を言われてもこれをやり遂げたい」といったような自分の中の確固たる”軸”のようなものが出来上がる可能性が高まります。

 

もちろん手術の後は痛みもありますが、それも少しの間だけ。

それを乗り越えると、肉体的な回復と同時に、精神的な強さも手に入れて帰ってくることができますので、個人的には手術をもし迷っている人がいたら手術することをオススメします。

 

肺気胸を治さずに付き合っていくパターンを選んだ人へ

先ほど書いたように、手術をすれば根本治療に繋がるのが頭では分かっているものの、どうしても手術に踏み出せなかったり、もしくは経済的な理由などの他のことが原因で手術ができない人もいるかと思います。

もちろん、それはそれで落胆することもあるかとは思いますが、それでもこの病気とのうまい付き合い方を考えていければ大丈夫です。

 

まず、また再発したらどうするかについて考えると思いますが、これに関してのアドバイスとしては「周りの人に言い続ける」ことです。

自分が病気なんて大声でいうもんじゃない!という昭和な人もいるかと思いますが、結局言わないで無理をすると周りの理解が得られていない状況且つ肉体的にも自分がつらい状況に陥ってしまうのでもっとつらいです。

そして、周りは思っているほど自分のことは気にはしないですが、気は遣ってくれるものです。

助けてもらうことは何も恥じることではないので、逆に自分が助けられる時はそれ以上に助けましょう。

 

そして、常に病気を抱えている状態だからこそ言えることやできることがあります。

これから先で何かをしたり発言をする際に、「病気を持っているけれど、あの人はあれが出来ている」「病気を持っている人だからこそ、言葉に重みがある」という逆境を乗り越えている自分になることができます。

人によっては、健常者に「つらいよな」って言われるよりも、自分と同じようにつらい経験を現在進行形でしている人に「つらいよな」って声をかけてもらったり、病気でも何かを頑張っている姿を見せられると非常に勇気付けられます。

そうやって、逆境という材料をバネにして「自分にしか言えないこと」を発信していくと自然とファンが出来ていくので、肺気胸と付き合うに当たって、うまくこの病気を逆に活用してみてください。

 

まとめ

自分が肺気胸に何度も苦しめられたからこそ、今回はこのような記事を書いてみました。

まさかの病気にメンタル的に落ち込んでしまう人もいるかもしれませんが、長い目で見れば人生まだまだありますし、この記事で伝えたように「肺気胸になった経験が、いつか自分を救う」という時がきっとやってきます。

すぐに前向きになれっていうのは難しいのは重々承知ですので、この記事を読んでも「そんなことは言っても…」と思う人は、まずは納得するまでとことん精神的に落ちてみてください。

そこから先は底から這い上がるだけなので、またこの記事に戻ってきてもらったり、もしくは自分の気持ちの上がることを無理せずしてもらえればと思います。

少しでもこの記事が肺気胸でつらくなっている人の一助となれば幸いです。