1年4か月で大手企業を辞めて2人だけのベンチャーに飛び込んだからこそ思うキャリアの選び方

今回の記事は、キャリア相談・就活相談に来る大学生の8割くらいが僕に質問してくることなので、不特定多数の就活生にも届くように長く書いておきます。

「大手企業がいいの?ベンチャー企業がいいの?」という就活生の永遠の命題に対して、個人的な解を出しますが、くれぐれも僕の一個人的な見解なので、丸々と鵜呑みにはしないでください。

そもそもなんで大手企業を辞めたのか?

まず始めに、僕は新卒で入った大手IT広告代理店を1年4か月で辞めた経緯があります。

他の人には「せっかく有名企業に入れたのにもったいない!」と何度も言われましたし、未だに学生とのキャリア面談でも死ぬほど聞かれるこの話題ですが、答えは明快で「全部整い過ぎている環境だった且つスピード感がなかったから」です。

 

もちろん、大手企業だからこその良さはあります。潤沢な資金があるので、少し高いサービスを全社的に導入することもできますし、おしゃれなカフェだってあります。もちろん残業は多少あったとしても月に40時間を超えることは滅多にありません。

いわゆる普通の感覚からすると、「これだけ整っていてなんで辞めてるのお前」みたいな感覚ではあると思うのも重々に理解できます。

 

ただ、自分にとってはデメリットが多かった。

最初から「取締役直轄の近年新設された部署」という耳障りは華やかなところに配属されたのですが、お客さんは社内の顔の見えない人たち。そして、すでに毎月のやることが100個くらいエクセルにリストアップしてあって、それぞれを丁寧にこなしていけばいいだけの毎日。

もちろん、それらの仕事も立派な仕事ではありますし、仕事があるだけ全く能力の無い大学上がりの新卒はありがたい環境なのですが、いかんせん自分にとっては「やりがい」が全く無かった。

「とりあえず内定したのだからまずは1年やってみよう!」と働いていましたが、考えれば考えるほど「これは自分でなくてもより人件費の安い一般職社員でも出来るし(決して一般職の方を馬鹿にしているのではなく、あくまで人件費の観点だけで考えています)、ゆくゆくはロボットでも代替可能になるだろう」ということが予感できたからです。

特に自分の部署はバックオフィス系全般を取り扱っていたので、定型業務が多く、それこそロボットの得意範囲でした。

 

ふと上司を見ると、何年か上の先輩も同じような業務を行っており、「あぁ、このままこうなるのであれば、ここにいる方のがリスクかもしれないな」と思い、大手企業を辞めるという選択肢に至りました。

今思うと、もう少し自分で周りに働きかけてあがいてから辞めても良かったかもなぁとも思いますが、その当時はそれよりも危機感の方が大きかったです。

周囲の「もう少しいたら?」に流されなかった理由

割と早めに辞めるという選択肢を取ったので、当然ですが周りは心配します。

友達は「少し早くないか?もう1年くらいいたらどう?」と言ってくれる人がほとんどでした。

親も「最初はもう少しいたらどうだ?」と言ってくれましたが、なにぶん25歳で起業をしている父だったので事情を話すと「まぁ、お前の人生だから好きにやりな」と背中を押してくれました。

※母は自分が15歳の時にすでに亡くなっていたので、意見のしようもありませんでしたが、生きていたら何と言ってくれたのかは今でも気になりますね。

 

というわけで、個人的に一番ここでえいっと会社を辞めることに躊躇せずに飛び込めた最大の理由は「将来への危機感」「育った環境」だったと考えています。

特に親が起業をしていたことは非常に大きかったですね。

叔父もテレビのプロデューサー業を個人事業主としてやっていたり、祖父も両方とも2次産業で起業をしていたので、いわゆるサラリーマンが周りにいなかったのが小さい頃からの常だったのでいわゆる常識のレールに沿っている人が家系に良くも悪くもいなかったのです。

 

ただ、これだけ書いてしまうと「結局は生まれた星の元が違うだけじゃん!」という結論に達してしまいそうですが、そんな運命論は多分メインで属するコミュニティを変えることで打破できると僕は思います。

「そんなすぐに会社を辞めるのはまずいよ」という思想の人ばかりがいるところにいれば、自然と自分もそういう思想になりますし、逆も然りな感じなのではないかなと(だから国民性とか文化っていうものが醸成されていくわけですよね)。

付き合う人を変えるだけで、そこの思想は朱に交われば赤くなる方式で変わっていくと思いますので、自分と価値観の合わない人が多くてチャレンジに踏ん切りのつかない就活生がもしいれば、環境を無理やり変えてみるといいかもしれません。

「大手企業にいる方が危機感は少ないのでは?」は逆の発想だ!、というのもちょっと違う

多くの本でも言われていることですが、高度経済成長期的発想で言えば、確かに大手企業に所属して、とにかく高機能のモノを安く大量に作りまくれば業績は伸びて”安定”的だったのかもしれません。

ただ、現在そのような状況は日本にはなく、中国や東南アジアなどの別国にその覇権は取られてしまいました(向こうの方が明らかに人件費が安いですからね)。

反論として予想される質問に事前に答えておくと、日本の技術力は確かにまだ世界の上の方にはいるかと思いますが、その技術力を持っている素晴らしい人材も「別国では日本よりも高い金額で雇われている」という現実ももう一方であるため、日本の技術力は外国へと流出していっています。

(国内と海外の大学教授の給与などの違いののニュースも少し前にバズっていましたね)

 

さて、論点を戻します。

上記の昭和的な就労感覚と現状の日本の状況が上手くリンクしていないので、いわゆる大人は「大手企業へまず行った方がいい」という思想になり、それを教育に落とし込んで世間一般の常識としているものの、実際の日本の現状で考えると反対に「早く自分が成長できる環境でスキルを得た方が会社に依存しなくていいのでは?」という意見に徐々にベンチャー企業の声が大きくなってきたことから価値観が昔のものから移り始めています。

ここでよく叫ばれるのが、確かに、大手企業だとしても東芝やJALなど昔からの名だたる企業もバタバタと陰りを見せていて、いつ自分の企業に暗雲が立ち込めるかは分からないという話ですが、これも分かります。

 

ただ、僕としてはこの「大手企業がいいの?ベンチャー企業がいいの?」という二元論的な発想に対して、自分の経験を考慮した上で、「自分に無理のない範囲であれば、どっちでもいいんじゃない?」という少し身勝手にも見える意見をします。

 

大手企業に勤めていても、終業後や土日の時間で勉強したり副業したりすればいいと思いますし(副業禁止ならアウトプットの機会はボランティアでもいいはず)、ベンチャー企業なら言わずもがな無限に働けばいいと思います。

 

ただ、ここで大事なのは「自分に無理のない範囲で」という部分です。

自分に自信がないのであれば、ゆっくりと自信をつけていけばいいので、多少人間関係的にも面倒臭くなりがちなイメージがあっても大手企業でしっかりした教育を受ければいいと思いますし、反対に自分に自信がすでにあるのであれば最初からガツガツとベンチャー企業で働いてひと旗あげればいいんじゃないかなとも思います。

自分に負荷をかけるのは確かに大事ですが、かけすぎると体もメンタルも壊れてしまって元も子もないので、そこは無理をしないように出来ればいいのではないのかなと。

結局のところ、就活生は「こうであるべき」という常識に振り回されているだけ

というわけで、長くなりましたが結局「自分のライフスタイル・価値観に合わせようと頑張りつつ、常にキャリアの舵を微調整して切っていく」のが一番気が楽でいいのではないかなという結論で締めようと思います。

「ゴリゴリ働いて一攫千金を狙う」という発想も、「家族第一で家庭を優先したい」という発想も、「家で一生ゲームして暮らしていたい」という発想だって別に良いも悪いもないわけです。

 

なので、就活生はいろんな人の生き方を本やOB訪問などでインプットしつつ、「一旦、今の時点でどんな風に生きてみたいか?」というところにフォーカスを当てて就活をすると良いのではないのかなと思います。

で、会社に入ってみてやっぱり違かったら、また変えればいいのです。

一気に正解を出そうとすると難しいし、そもそも正解なんてあってないようなものなので、細かく細かく「今、自分はどうだろうか?」と問いながら働ければそれでいいんじゃないかな?と、何百人という就活生の相談に乗った僕は思っています。